江戸川乱歩と棟方志功

2009年10月3日から11月15日まで神奈川近代文学館にて開催されていた「大乱歩展」を、最終日に訪れました。

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私の乱歩との出会いは小学校四年生の頃だったでしょうか。学校の図書室にあったポプラ社の「少年探偵シリーズ」をむさぼるように読み、それがもとで眼鏡をかけることになってしまったという、私にとっては「思い出深い」作家です。小学生時代に、似たような体験をした方も多いのではないでしょうか。

今回の展示は、乱歩のさまざまな交友がうかがい知れて、興味深く拝見することができました。中でも、私が個人的に興味を持っている棟方志功との関係については、いろいろと発見がありました。乱歩が編集を任されたミステリ雑誌『宝石』の1957(昭和32)年8月号から12月号の表紙を飾ったのは棟方志功の絵でした。前年の1956年に刊行した乱歩の自選短編集『犯罪幻想』の挿絵も志功が手がけています。乱歩の古稀のお祝い(1964年)に志功が描いて乱歩に送った絵も、今回実物が展示されていました。

乱歩は「東急百貨店で棟方版画展が催されていたとき、私は偶然行きあわせて、はじめて棟方さんの多くの大作を鑑賞することができ、非常に心うたれた」と語っており、出会いは偶然だったようですが、当時『宝石』は執筆者への原稿料も満足に払えないありさまでしたので、表紙絵の画稿料は乱歩が身銭を切って払ったのかもしれません。

ちなみに、この『宝石』、乱歩の情熱の甲斐あって誌面はにぎやかになりました。星新一や大藪春彦の作品を同人誌から転載して商業デビューに貢献したり、1958(昭和33)年には、松本清張「零の焦点」、横溝正史「悪魔の手毬唄」、高木彬光「成吉思汗の秘密」が並行して連載されていたといいますから、この時期に『宝石』をリアルタイムで手に取っていた読者が、ちょっとうらやましくなりますね。

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乱歩は、切手にはとりあげられていませんが、関連する小型印がありますので、次回、紹介いたします。

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