一葉が通った質屋「伊勢屋」の一般公開

前回のブログでも紹介した、樋口一葉が通ったという、本郷の質屋「伊勢屋」。すでに営業はしていませんので、通常、内部を見ることはできません。

ただし、5年前(2004年)から、毎年一葉の命日(11月23日)には、一日限定で内部を公開しています。比較的貴重な記録かと思いますので、私が参加した2004年当時の写真を、紹介したいと思います。

まずは外観。
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ちなみに下の写真は2003年に撮影したもの。蔵の外壁などが塗り替えられ、リニューアルされているようです。

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この日は、第25回の一葉忌。土蔵の中では、文化女子大学の主催による、旧伊勢屋質店の活用プランの展示が行われていました。

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格子戸をがらりと開けて建物に入ると、すぐ右手がみせ(畳敷きの小上がり)になっています。訪れた客は、ここに質草を広げて、品定めをしてもらったのでしょう。この日は、この畳の上に、店に残されている和紙の古い台帳などが広げられていました。この中に、一葉が質に入れた着物の記録などが残っているのかもしれません。

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店の建物の内部です。黒光りする柱に、「電話 小石川一九六二番」という表示が見えます。市外局番がなくても電話が通じる時代があったのですね。もっとも、一葉の時代などは、まだ電話は引かれていなかったのでしょうけど。

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入り口から店の奥に続く廊下を、奥から眺めたところです。廊下の途中の床板がはずされているのが見えるでしょうか。

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床板がはずされているのは、土蔵への入り口の正面にあたる部分です。床下には、土を入れた甕が埋められています。万が一火災が発生した際に、蔵の入り口の隙間にこの土を目張りして、土蔵に火が入るのを防ぐためだったそうです。

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ここで、壁に貼られていた伊勢屋の平面図をのせておきます。
まずは、残されている昔の図面。明治23年に座敷を増築した際に作成されたもののようです。

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そして、現状の平面図。中庭をはさんで座敷が設けられ、表通りからは想像できないほど、奥行きのある敷地になっています。二階には3畳の女中部屋があったりして、時代を感じさせますね。

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さて、下は土蔵の入り口。土蔵の一階には、一葉の大きな肖像写真とともに、関連する資料が展示されていました。

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土蔵の一階から、窓を見上げたところ。外の明かりがまぶしく差し込んでいます。

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二階の床板が一部外れるようになっており、二階の箪笥が見えています。大きな荷物は階段を使わずに、このように床板をはずして持ち上げていたようです。

さて、この伊勢屋のすぐ並びに、本郷五郵便局があります。この日は、一葉の命日でもあり、風景印がリニューアルされたばかり、ということで、局舎の前に臨時のワゴンを出して、記念の台紙などを販売していました。

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この風景印に描かれている伊勢屋を、同じ角度から撮影したのが下の写真です。店の入り口は、蔵の右側にある格子戸です。

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下が、2004年11月1日にリニューアルされた本郷五局の風景印。前回も紹介しましたが、澤口尚子さんのデザインです。

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風景印の本体を、特別に撮影させてもらいました。日付部分をピンセットで入れ替える方式です。

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風景印の押印には、とび色のインクをしみこませたスタンプ台を使います。このインクの色は決まっているのですが、局によっては薄かったり赤みが強かったり、と若干差がでるようです。

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風景印に描かれた建物を実際に訪ねてみるのは楽しいものです。さらに、こうして建物の内部まで見学することができると、建物を守ってきた人間の営みに想いを馳せる楽しみも加わり、風景印めぐりが一層奥深いものになりますね。

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