切手に描かれたサン=テグジュペリ

サン=テグジュペリは、その出身地フランスだけでなく、さまざまな国の切手に登場しますが、今日はその中から、イスラエルが発行した一種を紹介しましょう。

これは、その切手の15枚フルシートです。

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イスラエルの切手には、たいていタブ(余白)にもその切手にちなむ図柄がデザインされているのですが、この切手にも、タブになにやら書かれています。

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タブの部分だけを、ちょっと拡大してみましょう。

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フランス語で、以下のように書かれているのがわかります。

Alors vous imaginez ma surprise,au lever du jour,quand une drôle de petite voix m'a réveillé.
Elle disait:
-S’il vous plaît... dessine-moi un mouton!
-Hein!
-Dessine-moi un mouton!

だから、夜明けにおかしな声がして目が覚めたとき、僕がどんなにびっくりしたか、想像してもらいたい。その声はこう言っていた-
「ねえ、ヒツジの絵を描いて」
「え、なんだって?」
「ヒツジの絵を描いて」


これは、あの『星の王子さま』冒頭で、主人公の飛行士と王子さまが出会う、印象的な会話のシーンです。
アラビア語はちょっとわからないのですが、あわせて書かれているのは、おそらくこの文のアラビア語訳でしょう。

そして、その下に描かれている飛行機は、サン=テグジュペリが消息不明になる最後の飛行の際に搭乗していた、アメリカロッキード社の戦闘機F-5Bライトニング機です。

F-5BはロッキードP-38ライトニング機から機首の機関銃を取り、そこへ偵察用のカメラを搭載した写真偵察機です。

1943年、サン=テグジュペリが『星の王子さま』を執筆したのはニューヨークでした。そこに、祖国フランスの戦況が続々と伝えられてくると、サン=テグジュペリは軍隊復帰を決意します。アルジェリアに駐屯していた33-2偵察飛行部隊に復帰したサン=テグジュペリは、F-5Bライトニングで偵察飛行を繰り返しました。

1944年7月31日、サンテグジュペリがコルシカ島アルゲーロ基地から偵察飛行に飛び立ったことが記録されていますが、彼の飛行機は帰還予定時刻になっても戻りませんでした。『星の王子さま』出版からわずか一年後のことです。

乗っていた機体は長い間行方がわからなくなっていましたが、2000年5月24日に、地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くで機体の一部が発見され、世界中にニュースで報道されたのは記憶に新しいところです。

小さなタブも、じっくり眺めてみると、なかなか奥が深いですね。

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この記事へのコメント

ちいちゃん
2010年06月30日 15:28
本当に奥深いですね。最近切手に興味を持ちはじめた初心者ですが、こちらでも色々な珍しい切手を拝見させていただき、小さな紙片1枚1枚に込められた事柄、思いに感動しています。この切手はもう入手不可能なのでしょうか?色々と探しても、どこにも見かけません。
2010年07月08日 09:31
>ちいちゃんさま

コメントありがとうございます。
この切手、私はスタンプマガジンという雑誌の通販で購入しました。シートは、外国切手を専門に扱っている業者の店頭で見つけました。

目白にある切手の博物館1Fショウルームでも、たまに見かけることがあります。

見かけたらここで紹介しますね。
ちいちゃん
2010年07月14日 14:18
ご返事ありがとうございました。
何かにこだわる事なく、1まいづつ気に入ったものから
集めていきたいなと思っています。
これからもこちらで色々な切手を拝見させてください。

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