桜桃忌と三鷹

去る6月19日は、太宰治の命日、桜桃忌でした。

太宰は、昭和23年6月13日に玉川上水に入水、遺体発見が19日ですので、正確には13日が命日なのかもしれません。ただ、6月19日は太宰の誕生日ですから、やはり6月19日は特別な日と言えるでしょう。

さて、桜桃忌と言えば、三鷹禅林寺。ここにある太宰の墓には、毎年大勢のファンが訪れますが、仕事を持つ身としては6月19日が平日である限り、参拝するのは難しいというのが現状です。

ところが、今年はたまたま土曜日でしたので、桜桃忌当日に太宰の墓を訪ねることができました。

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禅林寺に到着したのは、すでに夕刻の6時頃。後述の太宰治文学サロンなどを経由してから向かったので、遅くなってしまいました。それでも、ファンとおぼしき人が5,6人、集まっていました。

それぞれ単独で来られている方ばかり。毎年訪れるという常連をはじめ、近所に住んでいるので桜桃忌に限らず散歩がてらちょくちょく参拝している人、学校で作品を読んだので興味を持って来てみた、という小学4年生、相模原から一時間半かけてやってきたという大学生。向かいの墓の前に座り込んで缶ビールやワンカップを並べ、すっかり出来上がっている方も。その方に薦められ、私も缶ビールを一杯いただきました。なんだか共通の知人の死を悼んで集まった友達の宴に飛び入り参加した気分です。

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火をつけた煙草を、吸い口を墓に向けて焼香台に乗せている人もいます。太宰と一緒に一服やっている気分になれそうです。

墓の周囲は、花束や缶ビール、煙草、パックに入ったさくらんぼ、『津軽』の文庫本まで供えてあります。筆で「太宰治様」と表書きされた封書もあり、中には太宰に宛てた手紙が入っているようでした。

近所にお住まいの方の話では、太宰の墓は普段からファンの参拝が絶えず、手紙に限らず、自ら編集した同人誌などを供えていく文学ファンもいるそうです。墓の掃除も大変ですね。

下は、禅林寺の山門です。この日は葬儀が二件、行なわれていました。

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この山門と、太宰、鴎外をデザインした風景印は、以前、このブログでも紹介しました。

http://ikezawa.at.webry.info/200908/article_1.html

この日には、太宰治検定が実施されていたようで、街でもポスターをみかけました。

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また、三鷹駅の近くには、かつて太宰が通っていたという酒屋「伊勢元」がありましたが、今はここが「太宰治文学サロン」として生まれ変わり、太宰に関する情報発信のスポットとして公開されています。

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サロンの中には、太宰の生涯をまとめた年表や写真、初版本、複製原稿、太宰が使用してた火鉢などが展示されています。書籍や図録、絵はがき、しおり、便箋などのグッズも手に入れることができます。

サロン内は、決して広くはありませんが、スタッフのいる場所が、例のバー「ルパン」のカウンターを模したつくりになっているなど、ファンには楽しめる空間になっています。

入場は無料なので、三鷹に足を運ぶ際には訪れてみてはいかがでしょうか。



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  • 桜桃忌と大連のサクランボ

    Excerpt: 現在、仕事で大連に来ています。大連は、ちょうどサクランボの季節です。街中いたるところに深紅のサクランボを満載した屋台が並び、天秤棒をかついだ売り子が行き交います。 Weblog: 切手と文学 racked: 2011-06-21 07:38