『借りぐらしのアリエッティ』に登場する切手

幼少の頃、私の母親はよく寝る前に読み聞かせをしてくれました。自身が子供を持つ身になってみて、当時子供を寝かしつけるために母親なりに苦労していたのだな、ということが身にしみてわかるのですが、それはともかく、当時読んでもらった話の中で今も記憶にあるのが、くまのパディントンとドリトル先生、そして、メアリーノートンの『床下の小人たち』シリーズです。

当時かなり年季の入った北海道の片田舎にある一軒家(床に囲炉裏の痕跡が残っているような家)に住んでいた私は、自分たちの家の床下にも、きっと小人が住んでいるに違いない、たまにモノが無くなるのは小人たちの仕業だ、と信じていたように思います。

さて、先週の土曜から一般公開が始まったスタジオジブリの最新作『借りぐらしのアイエッティ』は、この『床下の小人たち』を原作に、舞台を日本におきかえてストーリーが展開しますが、先日その予告編をテレビで見て、一瞬ですが切手が登場するのを発見しました。

主人公の小人は、人間界にあるものを「借り」て、自らの生活に取り込んでいます。床下に広がる彼らの世界は、我々の生活の縮図でもあります。そうした小人たちの住空間の壁面に、なにやら切手らしきものが貼ってあります。

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左側の壁に「80 日本郵便 NIPPON」の文字がはっきり見えます。図案は、朝顔のようです。消印が押されてあり、「東~」の文字も見えます。この家の住人は、使用済み切手を水はがしして保管していたのでしょうか。ということは、収集家である可能性がかなり高いと思われます。

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これまで日本で発行された80円の普通切手は、赤っぽいヤマドリ、緑っぽい人物画像鏡、緑っぽいヤマセミ、そして今使われている白っぽいキジバト。80円の記念切手は山ほどあるので、そのどれかをモデルにしているのかもしれませんが、ファンタジーの世界ということで特定のモデルを持たない架空のデザインと考えた方がよさそうです。

この80円切手の左下に貼ってあるものも切手のようですが、なんだか日本切手のデザインではないようにも見えます。それはともかく、小人の世界のスケール感を表現するアイテムとして、切手は効果的に使われているように思います。普段我々が認識している切手のサイズは2~3センチ四方程度でしょう。それがポスターのように壁に貼られていることから、この空間が極小のミニチュア世界であることが、感覚的に伝わるのではないでしょうか。

我々の世界でも、切手を芸術作品として観賞用に額装し、インテリアとする向きもあるようですが、このように季節に合わせたデザインの切手をポスターがわりに張り替えて楽しむ、というのも、小人の世界ならではの知恵ですね。

ところで、この切手、目打の切れ具合が目打の山一つ一つの違いも含め、なかなかリアルに描かれていて、ジブリ作品のレベルの高さを感じさせるポイントでもあるのかな、と勝手に思っています。

この映画、まだ見ていませんが、子供の頃に読んだ(聞いた)世界がどのように映像化されているのか、楽しみです。

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  • アリエッティと切手

    Excerpt: 『借りぐらしのアリエッティ』を見てきました。 Weblog: 切手と文学 racked: 2010-08-20 01:03