毛沢東と切手

先日、9月9日は、毛沢東の命日でした。

それにちなんで、今回は、文化大革命時代に中国で差し出された手紙を紹介しましょう。

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1969年10月30日、江蘇淮安市から北京に宛てて差し出された手紙です。封筒の左側には、赤い枠で彩られた、なにやらスローガンめいたものが印刷されています。これは、毛沢東の語録「人民、只有人民、才是創造世界歴史的動力」です。訳せば、「人民、ただ人民だけが世界の歴史を創造する動力である。」といった意味になります。

また、封筒の上部には、「敬祝毛主席万寿無彊」(毛主席の長寿を祝う)という文字も見えます。

貼られている切手は、1967年12月26日に発行された、林彪の題字を図案にしたものです。
林彪は、1966年の第8期11中全会で単独の党副主席となり、毛沢東の後継者として認められていた人物でした。毛沢東個人崇拝の演出者でもありました。この切手に描かれているのは、1966年11月29日、人民解放軍毛主席著作学習積極分子第一回代表大会にて作成された題字です。「大海を航海する船は舵手に頼り、革命を行なうには毛沢東思想に頼る」というスローガンが林彪の筆跡でデザインされています。

林彪は1971年9月13日、トライデント旅客機でソ連へ亡命を企てた際、モンゴル付近にて墜落死しました。その死については、未だに謎が多く残されています。

さて、封筒の裏面には、毛沢東の最高指示「一定要把淮河修好(淮河の治水は必ずやり遂げる)」が、差出人自らの手で書かれています。

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このように、文革時期に差し出された手紙には、毛語録が封筒に刷り込まれたり、差出人が自ら毛語録を封筒に書き込むことがさかんに行なわれました。こうした封筒を用いたり自ら語録を書く行為が、毛沢東への忠誠心を示すことになっていたという歴史的な資料としても興味深いものです。

ところで、差出人の住所を見ると、江蘇淮安市金湖県淮河入江水道となっています。暴れ川として住民を悩ませてきた淮河流域の、まさに只中。この毛沢東の言葉は、差出人の切なる願いだったのかも知れません。

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