プルーストの故郷と『失われた時を求めて』

去る7月10日は、フランスの作家、マルセル・プルースト(MARCEL PROUST 1871-1922)の誕生日でした。1966年にフランスからプルーストを題材とした切手が発行されていますので、紹介しましょう。

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マルセル・プルーストは1871年7月10日に、パリ郊外にあるオートゥイユのラ・フォンテーヌ通り96番地で生まれました。今年はちょうど生誕140年にあたります。父のアドリヤン・プルーストは衛生学の医師で大学教授、母親はパリの裕福なユダヤ系の家庭の出身です。マルセル・プルーストは裕福なブルジョワ家庭で育てられますが、9歳の時に喘息の発作に襲われ、生涯この持病に苦しめられることになります。10代の頃、父の故郷であるイリエ=コンブレー(Illiers-Combray)という町の叔母の家に滞在し、その時の記憶をもとに、代表作『失われた時を求めて』を書き上げたといわれています。

切手の背景に描かれている、橋のあるのどかな風景は、このイリエ=コンブレーの町の風景だと思われます。ここにある叔母の家は、現在「プルースト記念館」として一般に公開されています。

ちなみに、コンブレーというのは『失われた時を求めて』に登場する架空の地名で、プルーストのこの小説が有名になったため、モデルとなった地名「イリエ」に、小説中の地名「コンブレー」を付加した呼称「イリエ=コンブレー」が正式な地名になっています。

ところで、この『失われた時を求めて』、実に長い小説で、現在ちくま文庫から出ている版では厚みのある文庫で10巻を数えます。ちょっとした作家の全集なみのボリューム、読破するのは敷居が高く、私も長らく手を出せないでいました。最近、イーストプレスから出ている「まんがで読破」シリーズの一冊になっているのを見つけたので読み、ようやく物語の全体像を把握することができました。現代風のキャラクター設定には好き嫌いがあるかと思いますが、こうした敷居の高い小説への入り方としては良いのではと思います。

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さて、プルーストの切手ですが、フランスはこの当時、毎年4枚~6枚の著名人をデザインした切手を発行していました。1966年にとりあげられたのは、フーリエ(1565-1640、司祭)、マンサール(1598-1666、建築家)、フォーレ(1845-1924、作曲家)、メチニコフ(1845-1916、動物学者)、テーヌ(1828-1893、哲学者)、そしてプルースト、というラインナップで、時代もジャンルもさまざまですが、切手としてのデザインは統一されており、2~3色の凹版で仕上げられた落ち着いた色合いは、昨今のきらびやかなグラビア切手にはない魅力があります。

せっかくなので、残り5枚の切手もごらんにいれましょう。上から、フーリエ、マンサール、フォーレ、メチニコフ、テーヌです。

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