啄木と薬師丸ひろ子

7月23日はふみの日。これは1979年に当時の郵政省が郵便物の利用促進を目的に定めたものです。これに対して、1986年、民営化されて間もないNTTは電話の利用促進をねらいとして、毎月19日を「トークの日」と制定しました。今日は、この当時に発売されたエコー葉書を紹介しましょう。

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これは1987年4月1日にNTTが発売したエコー葉書です。左下に「トークの日」のロゴが見えます。この当時のNTTのキャンペーンソングは、薬師丸ひろ子の「あなたを・もっと・知りたくて」でした。想いを寄せる人の声が聞きたくて思わず受話器を手に取ってしまう淡い恋心を歌い上げたこの曲は、作詞が松本隆、作曲は筒美京平で、NTTのCMでもさかんに流れていました。

エコーでも薬師丸ひろ子が微笑んでいますが、その右にあるキャッチコピーは、なんと啄木の歌。

かの時に
言ひそびれたる
大切の
言葉は今も
胸にのこれど  啄木

この一首は、1910年 (明治43年) に刊行された啄木の歌集『一握の砂』に収録されています。当時は、もちろん電話による伝達手段はまだ主力ではなかったと思いますが、いざというときに告白の一言がどうしても口に出せず、その相手とは永遠に離れてしまった後悔、言葉にできなかったが故にいつまでも胸の奥に残り続ける想いというものが伝わってくる一首です。薬師丸ひろ子が歌った世界にも、どこかて通じているような気がします。

ちなみに、押印されている特印は、エコー発売の二週間後、昭和62年4月14日に発行された切手趣味週間のもので、この趣味週間切手の題材であった橋口五葉の「髪梳ける女」をモチーフにしたものです。

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