啄木と大逆事件

陸前高田のキャピタルホテルのエコーはがきに、啄木の歌を見つけました。

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啄木の歌集『一握の砂』に収められた歌が、エコーの左下に配されています。

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「いのちなき砂のかなしさよ
さらさらと
握れば指のあひだより落つ」

啄木がこの歌を詠んだのは、明治43(1910)年10月のことと言われています。その半年ほど前、明治43年5月に大逆事件が発生、明治天皇の暗殺計画を企てたとして、幸徳秋水をはじめとする社会主義者が百人以上検挙されました。啄木はこの事件に大きな衝撃を受け、評論「時代閉塞の現状」の中で社会に対する批判を展開しています。

啄木は、大逆事件の犯人が国家権力であることを告発、この不幸な時代を生きる青年たちに向かって、果敢に立ち上がるべきだと説きます。しかし、この叫びはどれほど多くの人に届いたのでしょうか。啄木は、この時代の多くの民衆が感じていたように、声を上げても抑圧されてしまう社会に、むなしさを覚えていたのではと思います。

指の間からさらさらと落ちる砂には、無為に過ぎ去っていく日常が重なります。啄木の「かなしさ」の源は、なかなか深いところにありそうです。

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