小諸に藤村の足跡を訪ねて(1)いざ懐古園へ

先日、このブログで小諸懐古園のパンフレットを紹介し、ちょっとした謎解きを試みましたが(http://ikezawa.at.webry.info/201110/article_10.html)、先週末の軽井沢散策の折に小諸まで足を延ばし、その謎解決に一歩踏み込むことができたので紹介したいと思います。

軽井沢から小諸までは、車でわずか30分ほどの距離です。意外と近いのですね。懐古園の駐車場には大型の観光バスが整列し、天気に恵まれたこともあって大勢の家族連れでにぎわっていました。

懐古園は小諸城址一帯に設けられた公園で、「小諸なる古城のほとり」の書き出しで有名な島崎藤村の「千曲川旅情の歌」の舞台として知られています。園内には、藤村記念館や藤村の詩碑の他、この地を訪れた文人たちの歌碑なども点在しており、ちょっとした文学散歩が楽しめるスポットになっています。

駐車場は均一料金で500円、園内に入るには、四つの記念館の入館料込みで500円のチケットを買います。車で訪問して藤村の足跡を辿ろうとした場合は、最低1000円必要な計算になります。

これが共通チケット。各記念館に入るたびに、半券部分をちぎっていきます。

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これは小諸城址の入り口にある、重要文化財の三の門。城址に残された数少ない構築物の一つで、小諸城址のシンボルとも言える建物です。

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小諸城は関が原の役前後に時の城主仙石氏が築城したもので、この三の門もその頃に建てられました。寛保二年(1742)年に一帯を襲った大洪水で一度流されたそうですが、20年後の明和年代に再建され現在に至っているとのこと。藤村が見上げた門がそのまま残っているということですね。現在ではここに徳川家達の筆になる「懐古園」の扁額が掲げられています。

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三の門の側で、園内をめぐる観光用の人力車が客待ち。その側に丸型ポストを見かけました。

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入口でチケットを見せ、右手の坂道を登っていきます。

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石垣に何やらレリーフがはめ込まれているのを見つけました。

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この地に小諸義塾を開いた木村熊二のレリーフです。立派なひげを蓄えた塾長の肖像の下に、
「われらの父 木村熊二先生と旧小諸義塾の記念に 
門弟並有志
島崎藤村書
昭和十年」
と刻んであります。

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文字は、藤村の筆跡をそのまま銅板に写し取ってデザインしたもののようです。

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地図では二の門跡を過ぎたところに「若山牧水歌碑」とあるので探してみました。このあたりにあるはずなのですが。。。

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よく見ると、石の階段の左手にひときわ大きな一枚岩が見えます。どうやらそこに牧水の歌が刻まれているようです。

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「かたはらに秋くさの
花かたるらく
ほろびしものは
うつくしきかな」

これは、明治43年(1910)に牧水が小諸に滞在した折に詠んだ一首で、明治44年(1911)9月12日に刊行された牧水の第四歌集『路上』に収録されています。

昭和9年(1934)11月に、もともとあった石垣にこの歌が刻まれたということです。石垣をそのまま利用した歌碑、というのも珍しいですね。牧水は空堀や苔むした石垣の間を散策しながら、足元に揺れる秋草に往年の栄華を夢見たのでしょうか。

黒門橋を渡って左手に本丸跡を見ながら進むと、右手に平屋の建物が見えてきました。藤村記念館です。

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さて、次回はこの記念館について、そして、懐古園のパンフレットに記された「田中君」の謎に迫ってみたいと思います。

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