軽井沢 有島武郎の別荘「浄月庵」は今

前回のブログで紹介した有島武郎の終焉の地には、かつて武郎の別荘「浄月庵」がありましたが、この建物は現在、軽井沢高原文庫の傍に移築復元され、喫茶店「一房の葡萄」として利用されています。昨年9月にここを訪問してきましたので、紹介したいと思います。

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道路に面した看板には「ライブラリーカフェ 一房の葡萄 旧有島武郎別荘 浄月庵」とあります。店名はもちろん、武郎の作品『一房の葡萄』にちなんでつけられたものです。

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案内板によると、この別荘は明治末に武郎の父武によって建てられ、武が亡くなった後に武郎が譲り受けて大正5年から大正11年まで毎年のように避暑を楽しんだ、とあります。武郎が代表作の一つである『生まれ出づる悩み』を執筆し、大正12年6月9日に自らの最期の地として選んだのがこの別荘でした。

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現在、建物の一階は喫茶コーナーで、ライブラリーカフェとうたっているだけあって広いテーブルには軽井沢ゆかりの書籍や雑誌がずらりと並んでおり、自由に手に取ることができます。一つのテーブルを共有する形になっているので、ちょっとした会合などもできそうです。
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実はこの一階が別荘として使われていた当時の居間で、有島武郎と波多野秋子が縊死した現場でもあるのですが、今は明るくオープンな空間となっており、悲壮感は感じられません。

喫茶コーナーはオープンテラスに続いています。テラスには籐椅子が並び、高原の風を感じながらゆったりした時間を過ごすことができるつくりになっています。この建物は1989年にこの地に移築復元されたそうですが、このテラス部分は建設当時の姿に近づけるために、新たに復元されたようです。

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オープンテラスでミルクティーをいただきました。建物自体が移築されているので武郎が避暑を過ごした当時とは見える景色は異なるのですが、かつて建物があった場所を先刻見てきたばかりだったこともあり、武郎が生きていた時代に少しだけ近づけたような気がしました。

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二階には部屋が二つあり、一つの部屋には書斎が再現されています。

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もう一つの狭い部屋は、有島武郎関連の資料を並べた「有島武郎記念室」となっています。
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ガラスケースの中には、武郎の縊死を伝える当時の新聞のコピーなどが展示されていました。
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この部屋にある書棚には武郎に関連した書籍が並んでいましたが、ガラス戸には鍵がかかっており、一階の喫茶コーナーと違ってこちらには手を触れることはできませんでした。

参考までに、2007年11月にここを訪問した際の写真がありますので載せておきます。このブログの一番上の写真(2012年9月当時)と比べると、生い茂っていた木の葉もすっかり散り、晩秋の気配が感じられる景色となっています。
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軽井沢には数多くの喫茶店が点在していますが、少し人里離れて文学的な雰囲気に浸ってみたいときにはお勧めの喫茶店です。

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