樋口一葉 二つの風景印

昨日、11月23日は樋口一葉の命日。ということで、一葉にちなむ台東竜泉郵便局の風景印を紹介したいと思います。

前回のブログでも紹介したように、2006年11月1日に台東区の一葉記念館がリニューアルオープンし、それにあわせて台東竜泉郵便局の風景印もデザインが変更されました。

ここで、新旧の風景印を比較してみましょう。

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切手は、1981年11月27日に発行された、近代美術シリーズ第11集の鏑木清方「一葉」です。
左側が、旧デザインの最終印(平成18年10月31日押印)、右が新デザインの初日印(平成18年11月1日押印)です。

二つのデザインを比べると、記念館の建物が入れ替わっている以外に、新デザインでは水仙の花と「台東区立一葉記念館」の文字が追加されています。一葉の肖像も若干縮小されているようです。よく見ると、旧デザインでは、記念館の看板に「台東区立一葉記念館」という文字が小さく見えるのですが、リニューアルした記念館にはこのような看板がないため、説明がなければ何の建物がわからない、ということで文字が追加されたのかもしれません。

参考までに、旧記念館と新記念館の写真を載せておきます。

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旧記念館(上の三枚)は、2004年11月23日の一葉祭の日の写真です。このときは、新札ブームもあってか、入場制限をするほどの大盛況でした。もっとも、入場料が無料になる、というサービスも一役買っていたかもしれませんが。

新記念館(下の2枚)は、2007年6月16日の撮影です。昔の記念館の面影はまったくないですね。

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ところで、風景印の一葉の肖像は、記念館が所有している、羽石光志の「樋口一葉」をもとにしていると思われます。

下は、記念館で販売している絵葉書から。

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羽石光志は日本美術院会員で、一葉と同じ竜泉寺の近くに住んでいました。中学生のころ『たけくらべ』を読んで感銘を受け、後年画家となってから一葉を描きたいと思うようになったといいます。この絵は、竜泉寺町で小間物屋を営んでいた頃の一葉の面影を描いたもので、縦2m30cm、横1m80cmもある大作です。

昭和61年刊行の一葉記念館の資料目録を古書店にて入手した際、そこに偶然、展示内容紹介の「しおり」が挟み込まれていましたが、その表紙も、この羽石画伯の絵を用いていました(下の画像)。

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ちなみに、水仙は一葉の代表作『たけくらべ』のエンディングで、主人公の美登利が大人の世界に旅立っていく朝に誰かが彼女の家の門から水仙の造花を差し入れる、というシーンにちなむものと思われます。作品を知らなければちょっとわからない、マニアックなデザインですね。


ところで、旧デザインの風景印、使用開始はそれほど昔ではなく、2003(平成15)年10月1日です。2004年秋に、新5000円札の肖像に一葉が選ばれたこともあって、一葉ブームの一環として、風景印の新規使用が検討されたのかも知れません。

私はこの風景印使用開始の初日(2003年10月1日)、午前中仕事を休んで、竜泉局に出向きました。風景印のファンが大勢訪れ、小さな局の窓口は大賑わいだったことを覚えています。そのときに作成した記念カバーをいくつか、紹介しておきましょう。

上二つのカバーは、当時記念館で使われていた来館記念スタンプを押印したものです。一番上のカバーのスタンプは、旧記念館をデザインしており、風景印とそのアングルを見比べてみるのも面白いでしょう。

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